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精度の考察

今日は授業がキャンセルになったので昼間は各種書類を作成したり、エアコンの掃除したり…ママと匠太は遅い時間に実家から帰って来ました。ビリヤードは基礎練習を30分くらいかな?

で、常連さんと精度の話になったのでちょっと検証をしてみようと思い立ちましてその結果を書いてみようかな?と思います。

命題
センターショットのズレはどこまで許容されるか?

計算は以下の仮定で行います。
センターショットの長さは1420mm
ボールの直径は57.2mm
ポケットの大きさは125mm

本来ならば円の接点からの角度を求めるべきだと思いますが、さすがに高校数学も忘れかけているので簡単に三角比を使って考えようと思います。

手玉と先球が接した際のそれぞれの中心同士を結んだ直線の距離はボール1個の直径と等しくなるので57.2mmとなります。
正面から見て手玉が先球の中心点から1.3mmずれたとすると1420mm先では約32.3mmずれた場所に先球の中心点が来ます。(何故1.3mmかと言うとExcelで0.1mmずつ値をぶち込んで計算したら一番ぴったりしたから…という原始的な理由です)
中心点が32.3mmずれている訳ですからボールの半径分をプラスした60.9mmがポケットの中央から先球の端までの距離となります。ポケットの中央からポケットの端までの距離は125mmの半分ですので62.5mmとなり1.3mmのズレであればギリギリポケットされると言うことになります。
同様に1.4mmで計算すると63.4mmのズレが発生するのでポケットされません。したがってセンターショットの場合、先球の中心点からプラスマイナス1.3mmがポケットの許容ということになります。

まぁ、非常にラフな計算ですので計算方法が違ってるぞ。とか、もっと正確にはこうだ。というのがあれば教えてください。

で、こんな数字上のお遊びをしたいというのがメインではありません。俺はビリヤードを教えるときに概念としてのイマジナリーポイントやイメージボールの説明をすることはありますが、そこを狙えと指導することはありません。そして、狙い場所を「この辺だよ」と指差すこともありません。

なぜか?理由は簡単ですね。不正確だからです。センターショットで最大2.6mmしか許されない誤差を1cm近くある指先で指示してもダメですよね?それはイマジナリーポイントにしても同じです。仮に顔の位置を先球から1.5mの地点にあると仮定して1.5m先を誤差プラスマイナス1.3mmでイマジナリーポイントを想像しそこに正確に手玉をキューで撞いてコントロールする。こんなこと初心者に出来る訳ありません。ってか俺だって出来ません。さらにスローの要素なんかを考慮したら真ん中の撞点撞いたってまず無理です。

そんなことはない。センターショットは基本だし実際にかなりの確率で入れられる。という人も多いでしょう。私だってセンターショットならば単にストップショットで撞くなら9割以上入れる自信があります。どうしてそんなことが出来るのか?それは経験に裏打ちされた勘なんです。

ちょっと実験してみてください。センターショットの要領でボールをセットし、先球の代わりに2つのボールを2mm程度の間隔を空けて手玉が通るようにします。見事に間を通すことが出来るでしょうか?出来る人もいるでしょう。でも、センターショットほど簡単ではないはずです。しかも2mmの間隔があるということはプラスマイナス4mmの誤差が許されるということですから、センターショットよりも大甘な配置にも関わらずです。

よく質問されることに手玉の精度を上げるにはどうしたら良いか?というものがあります。フォームも大事でしょう。理屈も大事かもしれません。でも、一番大事なのはポケットしたという経験なんです。単にポケットするだけでは経験として積み重ねるのにちょっと不足が生じます。自分で絶対的に自信のある配置を同じ撞点、同じ力加減、同じフォームで何度も撞くことです。それが正しい経験として蓄積されてポケット出来るようになるんだと思います。

精度を上げることは決して細かいところを狙えるようになるということではなく、正しい経験を積み重ねることによって得られる経験値のようなものなのだと思います。

コメント (6)

myancii:

±で言うと1.15mm。中央から0.575mmズレると入らない計算になります。
それと、ポケットはフットスポットに正対しているので、センタースポットには15度の角度を有していますので、ポケット幅2個分の、114mmの幅でも、もう少し小さくなりますね。
私は、大体シャープペンシルの芯一本分の幅と覚えていますw。

おぉ!フォローありがとうございます。
誤差が生じるのを承知で芯でヒットした場所から1.3mm横に手玉をスライドさせて三角比で求めたので…

やっぱり円の接線方程式と三角関数使わないと正確には出ないか…

検算してみたいのですが、その数学的素養がありませんwww

いずれにしても約1.5m離れた場所をmm単位以下の精度で狙わないといけない訳ですから経験の浅い人に「ここを狙って」なんてのは不合理な教え方なのは明白そうですね。

実際には当たった側と逆にスローが出るはずですのでポケットの許容は計算値よりも若干大きくなることが予想されますが、それを差し引いてもシビアなスポーツですよねぇ…

myancii:

私の計算も比での計算です(^^;
許容範囲/的球の半径=ポケットの幅/ポケットまでの距離
です。ポケットの幅は125mmとしても、中心軸が125mm外れると的球はポケットインしませんので、ポケットの幅は、的球の中心点の幅(57mm)として計測しました。
たいしさんが仰る様に、スロー分があるので、許容範囲はもう少し広がりそうですね。

ありがとうございます。実はこの記事の後に数人が検算した結果をお知らせくださいました。
コンタクトポイントでのズレは1.337mm、角度にすると2度40分39秒だそうです。
私の計算方法の場合百分の数ミリ単位での誤差が出るということでした。
myanciiさんの計算式の場合は先球の中心角からの比を扱ったようですので、コンタクトポイントではもう少し許容が出来そうですね。
さらに、検算して頂いたうちのお一人からの指摘ですが厚みは手玉と先球の中心のズレを考えるべきなのでコンタクトした際の最大ズレ幅は約±2.5mmあるとした方が誤解がないんじゃないかとのことでした。
まぁ、いずれにしろ1m以上離れた場所を数ミリ単位で狙うことには変わりないので本文の主旨的にはどの数値でも問題ないと思ってます。

myancii:

たいしさん!
ご丁寧に説明して頂いてありがとうございます。
私の「考慮漏れ」は、的球の大きさはあれど、「手球の大きさを考慮していない」と言うことでしょうか?

にしても、センターショットの誤差範囲は、幅で2.5mmですか?(±2.5mmとすると、幅で5mmもあることになるような気が)
にしても、匠太君のセンターショットは、私のセンターショットの精度より高いです。
素晴らしい!

目標を掲げて素晴らしい絵日記にしてください♪

中心角だけを頼りにするとどうしても角度が狭くなりますからね。私も勘違いしていました。
実際にはコンタクトした瞬間の厚みを考えると約1/11まで許容ということになるようですね。
厚み1/2、1/4、まぁ、精々1/8は用語として使いますが1/10以下はまず使う事がないのはセンターショットにおいて誤差に含まれるからかもしれませんね。

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2010年07月29日 02:50に投稿されたエントリーのページです。

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