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1球に掛ける気持ち

今日は午後から以前にアシスタントとして入った講習で臨時のアシスタント。本来予定されていた方が
行けなくなったのでシスアド講習が流れて時間的に余裕がありそうで、面識があるって理由でしょうが俺が
行くことになりました。

3ヶ月で見違えるように皆さん上達してましたね。この講習も来週いっぱいで終了だそうですが、順調な
上達振りにちょっとでも貢献できたのかな?と嬉しく思いますね。

講習が終わってからご質問に答えたり雑談したりでしばらく残っていましたが、メインの先生と一緒に帰宅
することに。メインの先生からも「福田先生は人気が高いから今日来てもらって助かりました」とのお言葉。
ありがたいものです。

家で食事を終えて19時からはセブンの店番。MIさんが来たので100先の続きをやってました。

今までの100先だとぽつぽつと3連発は出てたはずなのですが、記憶に間違いがなければMIさんとの
過去11回の100先では3連発はなし。ラックの相性なのか単なる偶然なのかは分かりませんが、やっと
3連発しました。

乗ってるときには何事も上手い方向に転がるもので、穴ガコしてもポケットする。ミスしても難球が残る
ネクストミスでもリカバー出来るなんてことが頻発します。いわゆる流れって奴ですね。で、流れに乗って
いるときは良いですが、逆の場合もある訳です。

プロやトップクラスのA級とのゲームなどでは5先程度のショートゲームではノーチャンスの事もありますし
ワンチャンスで何点取れるかがゲームの勝敗を分けるなんてことも普通にある訳です。もちろんその中に
ポイントとなる難球の処理やフロック、ナイスリカバリーなんかも相手は出して来る訳です。

で、俺はどうするか?何もしません。だって何も出来ないんだもん。勝負事は何でもそうなんでしょうが、
流れがあり、その流れに逆らうとロクなことになりません。流れは逆らってもダメなんです。じゃあ相手の
流れのままでいいの?それもダメですよね。流れは変えるものだと思うんですよ。

それを感じた思い出深いゲームがあります。

7,8年前でしょうか?ある公式戦の予選で対戦相手はA級。しかも相当上手いです。バンキングを取られ
いきなり2連発。次は確かブレイクノーインで俺の番になりますがセーフを取るのがやっとの配置。どうにか
セーフは取ったものの残りを取りきられて0−3。次もフロック付でマスワリされて0−4。ここまで撞いた
回数はブレイク直後のセーフを取りに行った1回だけ。

そして相手のブレイクは9番がサイドに目掛けて一直線。わずかに角で角度が変わりサイドの穴前。
マスワリも行けるでしょうし、3→9コンビも難しくない配置。俺にとっては最悪の流れと思って良いはず
ですが、ここで俺が思ったのは「このゲーム行けるかも?」だったんですよね。

俺の思考はこうでした。本当に流れが相手に行っているのならあの9番はエースになっていたはず。
それが、まだゲームが続くということは諦める必要はないし、万が一にもこのゲームを相手が落とす事に
なれば流れを変えられるかもしれない…

そして相手は3→9コンビで仕留めに来ますが、わずかにはずれ残った配置はイージーキャノン。この
ゲームで2回目の出番で9番を沈めます。そこからマスワリして2−4。次のゲームでは相手は別人の
ようになってました。イージーもバンバン飛ぶ。俺も絶好調という訳ではなかったんですが、一度変えた
流れを放す訳にはいきません。ジリジリと追い込み3−4。

俺も逆の立場の経験がありますが、こういうときに「ひょっとしてやられるかも?」と思うと本当にやられて
しまうものです。相手もそう思ったんじゃないかと思います。

このゲームの展開は忘れましたがマスワリではなかったはずですが途中から取りきりついにヒルヒル。

そして最終ゲームで狙ったとは言え100回に1回も出来ないであろうスーパーショットが炸裂してこの
試合を逆転勝ちしました。このショットがフロックだと言われれば俺は否定しません。大体そんな確率の
悪いショットなんて出来たらフロックみたいなものです。でも、あそこでもし守っていたら…また流れを
持って行かれて負けていたかもしれません。

そして仮に攻めたことではずして結果として負けていたとしても俺は後悔はしていなかったと思います。
出来るだけのことをして大緊張の中、相手を一度は慌てさせることも出来たんですからね。

このゲームが終わった後、相手の方から「ナイスゲームでしたね。決勝で再戦しましょう」と握手を求め
られたときに。「あぁ、この人は分かっていたんだ」と思い深々と頭を下げた記憶があります。

結局この試合で俺は予選最終戦で負けて、彼は敗者ブロックから勝ち上がり再戦は叶いませんでした。

ここで俺は2つのことを学びました。ひとつは状況が悪くても「ダメだ、ついてない」と思っていただけでは
流れは変えられないと言うことです。エースにならなかったときに「まだ、行ける。ついてる」と思ったのは
たぶんそのゲームを見ていた中で俺だけでしょう。でも、プレーヤーとして諦めずに一縷の可能性を常に
前向きに持ち続けることの大事さを学んだ気がします。

そして、もうひとつはその後、彼は決勝に行き、俺は予選敗退したという事実です。そのときに流れを
掴んでもそれを継続する力がなければ所詮実力ではない訳です。彼はあんな大逆転負けをしたにも
関わらず予選を突破しました。そう、彼と俺の間には歴然とした実力差があったんだと思います。

まだまだ勉強しないといけないこと、そしてそれが学べる楽しさがビリヤードにはありますね。

今日のどう?
マスワリ 6回(セブン 1番テーブル)
2009年 通算73回

Race to 100 Round 12
たいし 43−20 MIさん

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2009年02月21日 14:01に投稿されたエントリーのページです。

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