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ビリヤードのクラス その2

さて、前回の続きです。

まぁ、前回は大雑把にB級くらいまではこんな感じで昇格すると良いんじゃない?ってな俺なりの基準を書いてみた訳ですが、今回はA級についてです。

色々な解釈がありますからね。あくまでいつもどおりですが、俺の見解ですんで・・・

俺は立場上セブンの常連さんにクラス付けをすることがあります。B級までの基準は前回のとおりですね。まぁ、甘いですがそのうち慣れてちゃんとプレー出来ますよってな感じで早めに昇級してもらうことが多いと思います。

ただ、A級については別です。セブンの店長になって25年、A級に自ら昇格してからも20年以上経っていますが、俺が「A級に昇格したら?」と言った常連さんは1人しかいません。

その間にセブンでA級が誕生しなかったか?というとそういうことではありません。試合や他店でA級を名乗るようになったのに俺が認めないからB級ってのもおかしな話しなので、何人もA級には昇格しています。前回も書きましたが結局はクラスは自己申告ですからね。

何も俺はA級にしたくないなんて思っている訳ではありません。一人でも多くセブンからA級が誕生して欲しいと思っています。でも、A級って覚悟が必要な特別な場所である必要があると思っています。

ビリヤードをはじめたばかりの人、これからはじめようと思っている人からすればA級は憧れの存在です。俺も若い頃A級のプレーヤーのプレーを間近に見るだけで震えたものです。

ちょっと古い話しをしましょう。

これは俺がビリヤードをはじめる前の話しなので今から30年近く前のことだと思います。しかも、伝聞なので正確ではないかもしれません。

当時A級はタイトルホルダーのみが名乗れたそうです。今で言うSA級ですね。当然ですが人数が圧倒的に少なかった訳です。俺がはじめて出場したオープン戦は200名以上がエントリーしていましたが、プロが10数名、A級は数名、大多数はB級での出場でした。

時代は流れA級のインフレがはじまります。ボーラードで200超えしたらA級などということが実しやかに言われはじめます。これに意味がないことは前回解説したとおりです。

現在のビリヤード界低迷のひとつの要因がここにあるような気がしています。すなわち本来A級でプレーすべきではないA級プレーヤーが必然的に増えてしまったのではないか?と思う訳です。

では、俺の言うA級プレーヤーの条件とは何か?
それは低級者から憧れを抱かれるプレーヤーであるということが一番です。

もちろん、試合に勝てる、技術が優れている、理論がしっかりしている。これらの要素はデフォで必要です。その上で一番大事なのは自身が目標となるプレーヤーであることだと思っています。

例を挙げましょう。
当然ですが練習をします。その練習態度を周りの人は見ている訳です。「A級ってどんな練習をしているんだろう?」と興味を持って・・・
そこで上手くいかないと不貞腐れているようではA級の資格はありません。基本練習もせずにバラ球やハードショットをやるなんてのは俺に言わせりゃ論外です。

他のスポーツとの比較でもそうですよね?
プロ野球の選手でもランニングとキャッチボールをしないでいきなりフリーバッティングをするなんて事はしない訳です。サッカーでもバスケでも・・・

ゲーム中でもそうです。外れて悔しいのは誰だって一緒です。俺も負けず嫌いですから外した自分に腹が立つことだってしょっちゅうです。でもね・・・いくら自分への怒りでもそれを表に出したらダメなんですよ。一緒にプレーしている相手に失礼じゃないですか。要するに自分のプレーにしか興味がない訳です。こういうプレーヤーに限って大きく外せば悔しがり、惜しく外せば落ち込み、ポジションが違えば怒り出す訳です。自分の出来ることが分かってない証拠です。それじゃ尊敬されるプレーヤーには成れませんよね?

道具を大事にしないプレーヤーもダメですね。キューを叩き付けるなんてのは論外ですが、セット球の練習中にキュー先で手玉と先玉の位置をちょこちょこっと合わせて練習するなんてのも同じです。ビリヤードは時にmm以下の精度を感覚で補うスポーツです。適当にセットしたら意味ないんですよ。

俺は初心者講習の講師をセブンでもSIBCをはじめとするサークルでもしていますが、その際に毎回のように言っていることがあります。「練習の配置をセットするのも練習なんですよ」と・・・実際に真っ直ぐに手玉と先球を配置することがどれだけ難しいか・・・A級でプレーしようと言うプレーヤーでしたらその感じる誤差は初心者の比ではないはずです。その感覚を持ちながら適当にしかセットしない。俺には理解不能です。

そしてマナーですね。これも出来ていなければいけないものですが、試合に負けて不貞腐れた態度で挨拶するとか、やたらと言い訳しているなんてのも見っとも無いですよね。やはり見本にはなってません。

試合に勝てる実力があるんだからA級で良いじゃん。上手いんだからA級でいいじゃん。

否定はしません。明確な基準がない以上、最終的には自己申告ですからね。でもね。自分が好きなビリヤードを多くの人に理解してもらい、楽しんでもらう為にはトップアマであるA級の背負っているものは決して小さくないんですよ。その自覚もないままA級のプレーが出来ないとA級昇格後にビリヤード界から去ってしまったプレーヤーを何人も知っています。

俺はそうなって欲しくないんですよね。低迷するビリヤード界を盛り上げ、この楽しいスポーツをより多くの人に知って貰うには本当のA級の力が必要なんだと思います。

俺にはある言葉が耳に残ってます。

「性格の良い、親切なA級なんて見たことないよ」

これじゃダメなんです。そう思わせちゃいけないんです。自己中な考えと練習で周りを不快にさせてはいけないんです。また、それに気付けなければいけないんです。

と、まぁ力んでみても急にこの業界が変わるとも思えませんし、俺は俺の出来ることをコツコツとやって行くだけです。そう毎日欠かさない30cmのストップショットのように・・・

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2013年05月02日 02:18に投稿されたエントリーのページです。

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