3.ラックについての考察
現在のナインボールのルールでは1番と9番以外は自由に並べることが許されています。このラックの並べ方によってゲームに影響は出るのでしょうか?結論から言えば出ると思われます。すなわち、取りきり易い並べ方と取りきり難い並べ方が存在すると思われるのです。例えば相手がマスワリを連発するような上級者である場合には取りきり難いラックを組み、相手が自分より格下で自分に確実に順番が回ると予想されるときには取りきり易いラックを組むことでゲームをコントロール出来るのではないかと考えました。まずは傾向分析をするために下図のような統計をとってみました。なお、並べ方は1、9を所定の位置に置き上から小さい番号順に並べています(ラック図参照)。統計は75回をヘッドラインの右端からブレイクしてうち50回をランダムに抽出したものを採用しました。
ラック図(この配置ですべてのブレイクを撞いた統計が下図です)
便宜上
1番...A
2番...B
3番...C
4番...D
5番...E
6番...F
7番...G
8番...H
9番...I と表現して解説します。

テーブルをポイント毎に32分割し、ブレイク後のボールの止まった位置を集計したものです。色の濃い部分には多く止まり薄い部分にはあまり止まっていないことを意味しています。また、まったく止まらなかったところは緑で表しています。テーブルの横の欄外はブレイクでポケットした確率です。
習慣的にラック図のA,D,Eがポケットされやすいとの感覚はあったのですが、実はEよりもGの方がポケットの確率が高いことが分かりました。逆にB,C,F,Iは全くポケットされないと言う結果になっています。
さて、ここからが本題です。マスワリをしやすいラックとはどういうものでしょうか?まず1番から取り出す事を考えます。ポケットする確率が高いとはいえポケットしない事もある訳です。図を参照する限りD1付近に集中していることが判ります。手玉を大きく動かすことは高いリスクを背負うことになりますので、テーブルの下の方に止まるボールに着目します。1番に近い位置に止まってしまうと重なって狙いにくくなる可能性を考えA1付近に止まるボールを2番とするのが最適でしょう。すると図の中ではEが一番近くなります。そして1番と同じサイドのHの位置に3番を配置します。これで下の方の処理は終わるので中間点を経由して上を攻略します。中間点ではCが比較的集中しているようなのでここに4番をセットし、Fは右上に集まる傾向が見られるのでここを上の取り出しと仮定し5番をセットします。反対側にはDとGがありますが、ラストボールを安定的にショットするためにGのポジションは8番にキープして置きたいところです。Dのポジションはポケットの確率も高いので6番を配置します。これは7〜9番という3つを一組にして流れを作るという考えです。7番をブレイクでポケットしてしまうより6番をポケットしていた方が安定的に7〜9を取りきれると考えられるのです。すると必然的に7番はBのポジションに収まります。Gのポジションには前述したように8番をセットします。言葉で解説すると分かり難いですが、要は以下のラックです。


右側が理想の予想配置図と言えます。これで1番または7番がポケットしたと想定して取って行くと比較的楽にマスワリ出来てしまうと思います。上級者にこのラックを組むのは無謀かもしれませんが、運良くポケットしなかった場合はウラマスで自分が取りきる可能性もある訳です。ここ1発の勝負時に使ってみるには良いと思います。
では、逆にマスワリされにくいラックを考えてみましょう。原理はさっきの逆で出来るだけ手玉を長く動かす配置にすれば良いわけです。出来れば奇数を上に偶数を下にといった形で配置したいものです。しかし1番が奇数なのに下に来てしまう傾向が強いのでこれは無視します。なぜならポケットされる可能性も高いですし、仮に序盤で1つや2つポケットされたところでマスワリを出させないのがポイントですからね。するとこんな配置が想像出来ます。


これがマスワリし難いラック&ブレイク後の配置です。
マスワリが不可能な配置ではありませんが、手玉を大きく動かす必要があり上級者でも簡単にはマスワリは出来ないだろうと予想されます。
なお、上記はあくまで統計的に見た私のブレイクを参考にしたものであり微妙なブレイクポジションやテーブルの走り具合、ブレイクの強さなどで条件は変わるものと思われます。最初に解説したようにこれはテーブルの右側からのブレイクを想定しているので反対のポジションでは左右が逆になりますし、中央付近からの統計は取れていないのでどれだけの効果があるのか定かではありません。ただし、私が実験したところではマスワリしやすい配置とし難い配置ではマスワリの確率が4倍以上違うことが判りました。知っていても無駄な知識には成らないと思います。